いわゆる「虫刺され」です。
人を「 刺す・咬む・吸血する」ことによって皮膚炎を引き起こす主な虫には、蚊・ノミ・ブユ・ハチ・アリ・アブ・ケムシなどの昆虫類やダニ・クモ・ムカデなどの節足動物・クラゲ・ヒトデ・魚類などの海生動物が挙げられます。
その種類によって皮膚炎の状態や自覚症状(「痛み」と「かゆみ」)に違いがあります。
治療は、軽症であれば痒み止め程度でも構いませんが、赤みや痒みが強い場合は、ステロイド外用剤の使用が有効です。
症状が強い場合は抗ヒスタミン剤(痒み止め)やステロイド剤(炎症止め)の内服等が必要になる場合もあります。
これらは、皮疹を抑えるだけの治療ですので、原因虫の駆除を実施しなければ皮疹の新生は続くので注意が必要です。
トピック1 蜂刺され
蜂刺されが最も多い季節は、夏~秋です。
ハチに刺されると、蜂の毒の作用で、まず患部が赤く腫れ、痛みが出現します。
これは通常1日以内に治まりますが、アレルギー反応を起こす場合があり注意が必要です。
この場合、全身の蕁麻疹や血圧低下、息苦しさ等が生じたりして、個人差はありますが死に至る例も報告されています。
蜂にさされた場合は、2回目以降に注意しましょう。
刺された場合、まず局所を冷やしてください。
「アンモニアを塗る」と言う方法は、効果がないのでやめましょう。
特に全身症状がない場合は問題ありませんが、あとで腫れてくる場合もありますので、皮膚科を受診しましょう。
トピック2 毒蛾性皮膚炎
一部のケムシはその毛に毒を持っています。
これに触れることによって生じる皮膚炎を「毒蛾性皮膚炎」と言います。
毒針毛(どくしんもう)を持つドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)や毒棘(どくきょく)を持つイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガ)の幼虫が原因となります。
これらに触れると、首やうでに集中して、かなり激しい痒みを伴うジンマシンのような症状、あるいは赤いブツブツが多発します。
ドクガ類の毒針毛に触れた場合は、皮膚に付着した毒針毛をテープ等で取り除き、シャワーで十分に洗い流すこと、洋服を全て洗濯することで拡大を防ぐことがある程度出来ます。