疥癬(かいせん)
insect

「疥癬」とは?

疥癬虫(ヒトヒゼンダニ)と呼ばれるダニの一種が皮膚に寄生する病気です。
症状は指間、腋窩、下腹部、外陰部、臀部などの柔らかい部位の丘疹の多発と、夜間に強い掻痒です。
湿疹との区別がつき難くい場合もあります。
寄生した雌が次々に産卵し、子孫を残し増殖していきます。
密接な肌の接触で人から人へと感染します。
またこのダニは人間の皮膚のみでしか生存出来ず、人から離れると短時間で死滅します。
最近では学校、寮、老人施設、病院において、集団感染の例もあり、注意が必要です。

治療は?

10%クロタミトン含有親水軟膏(商品名オイラックス軟膏)は、もともと動物の抗疥癬薬として開発されたもので、止痒作用を併せ持つ薬剤です。
普通のカイセンでは頚部以下全身に1日1回、入浴後に塗ります。
また、かゆみがある期間は抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めも内服します。
ムトウ(六一〇)ハップ硫黄浴なども良いのですが、浴槽によっては浴槽が黒くなる場合があります。
その他の抗疥癬治療薬としては安息香酸ベンジルおよび硫黄軟膏等があり、各医療施設での院内調製により使用することが出来ます。

イベルメクチン(商品名)という薬剤が多種の寄生虫を駆除出来ると言うことで、疥癬の治療薬としても注目され、内服で有効な強力な殺虫薬として認可されました。
ヒトへの安全性は比較的高いとされ、実際にヒトの疥癬に対しても、1~2回経口投与で、良い結果が得られています。
ペルメトリンクリ-ムという外用薬は、海外では第1選択とされており、駆除効果に最も優れ、毒性も低い駆除薬です。
疥癬虫は皮膚の表層だけに寄生するダニだけに外用剤の有効は高いと考えられます。
日本での使用許可が望まれています。

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