


主な疾患
虫
虫刺症|頭しらみ|疥癬(かいせん)
虫刺症
- 「虫刺症」とは?
- いわゆる「虫刺され」です。
人を「 刺す・咬む・吸血する」ことによって皮膚炎を引き起こす主な虫には、蚊・ノミ・ブユ・ハチ・アリ・アブ・ケムシなどの昆虫類やダニ・クモ・ムカデなどの節足動物・クラゲ・ヒトデ・魚類などの海生動物が挙げられます。
その種類によって皮膚炎の状態や自覚症状(「痛み」と「かゆみ」)に違いがあります。
- 治療は?
- 治療は、軽症であれば痒み止め程度でも構いませんが、赤みや痒みが強い場合は、ステロイド外用剤の使用が有効です。
症状が強い場合は抗ヒスタミン剤(痒み止め)やステロイド剤(炎症止め)の内服等が必要になる場合もあります。
これらは、皮疹を抑えるだけの治療ですので、原因虫の駆除を実施しなければ皮疹の新生は続くので注意が必要です。
- トピック1 蜂刺され

蜂刺されが最も多い季節は、夏~秋です。
ハチに刺されると、蜂の毒の作用で、まず患部が赤く腫れ、痛みが出現します。
これは通常1日以内に治まりますが、アレルギー反応を起こす場合があり注意が必要です。
この場合、全身の蕁麻疹や血圧低下、息苦しさ等が生じたりして、個人差はありますが死に至る例も報告されています。
蜂にさされた場合は、2回目以降に注意しましょう。
刺された場合、まず局所を冷やしてください。
「アンモニアを塗る」と言う方法は、効果がないのでやめましょう。
特に全身症状がない場合は問題ありませんが、あとで腫れてくる場合もありますので、皮膚科を受診しましょう。
- トピック2 毒蛾性皮膚炎

一部のケムシはその毛に毒を持っています。
これに触れることによって生じる皮膚炎を「毒蛾性皮膚炎」と言います。
毒針毛(どくしんもう)を持つ)ドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)や毒棘(どくきょくを持つイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガ)の幼虫が原因となります。
これらに触れると、首やうでに集中して、かなり激しい痒みを伴うジンマシンのような症状、あるいは赤いブツブツが多発します。
ドクガ類の毒針毛に触れた場合は、皮膚に付着した毒針毛をテープ等で取り除き、シャワーで十分に洗い流すこと、洋服を全て洗濯することで拡大を防ぐことがある程度出来ます。
頭しらみ
- 「頭しらみ」とは?
- 頭しらみは、幼少時の女の子に多い疾患です。
原因は頭しらみ感染です。
頭部、特に後頭部や側頭部に痒みを伴い、頭髪に白い点々が付着しています。
これが頭しらみの虫卵で、顕微鏡で見ると判断がつきます。
よく探すと体長2-4mmの虫が見つかる場合もあり、大人でもたまに見かけます。
放置すると頭皮に赤みやカサなどの湿疹様の症状が加わってきます。

- 治療と注意は?
- 市販の「スミスリン・パウダー」もしくは「スミスリン・シャンプー」(ピレスロイド系殺虫剤)が唯一の有効薬剤です。
被髪頭部に均等に散布し、1時間ほど放置後洗髪するか、このシャンプーを使用して洗髪します。
これを1日1回、2日間隔で4-5回繰り返します。
これは薬剤に虫卵を殺す力がないため幼虫になるまでの間、間断ない殺虫が必要なためです。
また虫卵の除去には、髪を出来る限り短くして「すき櫛」を用いて髪をすくのも有効です。
一度治っても何度でも感染をくり返す可能性はあります。
予防として、感染している子供がほかの子供と頭をつけて遊ばないようにしたり、寝具を一緒にしない等が大切です。
疥癬(かいせん)
- 「疥癬」とは?
- 疥癬虫(ヒトヒゼンダニ)と呼ばれるダニの一種が皮膚に寄生する病気です。
症状は指間、腋窩、下腹部、外陰部、臀部などの柔らかい部位の丘疹の多発と、夜間に強い掻痒です。
湿疹との区別がつき難くい場合もあります。
寄生した雌が次々に産卵し、子孫を残し増殖していきます。
密接な肌の接触で人から人へと感染します。
またこのダニは人間の皮膚のみでしか生存出来ず、人から離れると短時間で死滅します。
最近では学校、寮、老人施設、病院において、集団感染の例もあり、注意が必要です。
- 治療は?
- 10%クロタミトン含有親水軟膏(商品名オイラックス軟膏)は、もともと動物の抗疥癬薬として開発されたもので、止痒作用を併せ持つ薬剤です。
普通のカイセンでは頚部以下全身に1日1回、入浴後に塗ります。
また、かゆみがある期間は抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めも内服します。
ムトウ(六一〇)ハップ硫黄浴なども良いのですが、浴槽によっては浴槽が黒くなる場合があります。
その他の抗疥癬治療薬としては安息香酸ベンジルおよび硫黄軟膏等があり、各医療施設での院内調製により使用することが出来ます。
イベルメクチン(商品名)という薬剤が多種の寄生虫を駆除出来ると言うことで、疥癬の治療薬としても注目され、内服で有効な強力な殺虫薬として認可されました。
ヒトへの安全性は比較的高いとされ、実際にヒトの疥癬に対しても、1~2回経口投与で、良い結果が得られています。
ペルメトリンクリ-ムという外用薬は、海外では第1選択とされており、駆除効果に最も優れ、毒性も低い駆除薬です。
疥癬虫は皮膚の表層だけに寄生するダニだけに外用剤の有効は高いと考えられます。
日本での使用許可が望まれています。
